・明治36年(1903) 9月 19日(土) 大雷雨及颶風

左画像の文字化

午前二時大雷雨及颶風アリタリ

午前零時頃ヨリ雷鳴アリ同時二風雨ヲ交へ二時頃尤甚シク暫時ニシテ晴レタリ

此時一回新田ハ格別ノ被害ナカラシモ二回ハ大風ノ為メ家屋ノ雨戸、屋根瓦等飛散シ被害ナカラズ二号塩倉ノ南妻及附属ノ坐敷屋根大二破損セリ作物モ稲穂ニ尠少ノ穗ズレアリ全ク短時間ノ颶風ニシテ大崎村ニテハ百石乃至三百石ノ和舟八艘顛覆シ老津村ニテハ倒家二三戸アリテ此線破損ノ大ナルモノトス

上記の現代語化

午前2時、ひどい雷雨、及び強く激しい風があった。

午前0時頃より、雷鳴あり、同時に風雨を交え2時頃特に激しく、しばらくして晴れた。

この時、一回新田は格別の被害が無かったが、二回は大風のため家屋の雨戸、屋根瓦など飛散する被害があった。

2号の塩の倉庫の南妻、及び付属の座敷屋根が大いに破損した。

作物も稲穂に多少の穂ずれがあった。

全く短時間ではあったが激しい風により、大崎村にては百石(1.5トン)~三百石(4.5トン)の和船8艘が転覆し、老津村にては倒れた家23戸と海岸線の破損は大きなものであった。



 ・低気圧が左上の前日14時に鹿児島の南方にあり、左下の前日22時には紀伊半島辺りである

 ・右側の当日6時には浜松の下にあり、この低気圧による被害であると思われる